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19世紀カタルニアの天才建築家 Antoni Gaudi の生涯と彼の建築作品

設計手法method

フニクラ(Funikura)による応力構造の実験

活動報告写真

ガウディの建築物は、曲線と曲面による異様とも感じられる外見が特徴的だが、その内部に入ると、構造を支える柱が極端に少なく空間が広いことに驚かされる。
また、存在する柱は垂直に立てられていないことが多く、なんとも不思議な光景と感じられる。
これらの柱の形や傾きは、紐に錘を下げてできる曲線をモデル化して設計された。
この逆さ吊り模型を、フニクラ(Funikura)という。
彼の建築は曲線と細部の装飾を多用した生物的な建築を得意とし、その独創的なデザインは多くの建築家や芸術家に影響を与えた。彼の設計手法は独自の構造力学的合理性と、物語性に満ちた装飾の二つの側面より成立する。
装飾は形式的なものに留まらず、植物・動物・怪物・人間などをリアルに表現した。「美しい形は構造的に安定している。構造は自然から学ばなければならない」といい、ガウディは自然の中に最高の形があると信じていた。その背景には幼い頃、バルセロナ郊外の村で過ごし、道端の草花や小さな生き物たちと触れ合った体験が生かされているという。

ガウディの自然への賛美がもっとも顕著に表れた作品が、コロニア・グエル教会地下聖堂である。傾斜した柱や壁、荒削りの石、更に光と影の目くるめく色彩が作り出す洞窟のような空間になっている。彼はこの柱と壁の傾斜を設計するのに数字や方程式を一切使わず、10年の歳月をかけて実験を行った。その実験装置が「フニクラ(逆さ吊り模型)」で、無数の紐と錘で構成されている。網状の糸に重りを数個取り付け、その網の描く形態を上下反転したものが、垂直加重に対する自然で丈夫な構造形態だと、ガウディは考えた。建設中に「建物が崩れるのでは?」と疑う職人たちに対して、自ら足場を取り除き、構造の安全を証明したという。
生前に描かれた設計図はスペイン内戦で焼失している。彼は、設計段階で模型を重要視し、設計図をあまり描かなかった。設計図は役所に届ける必要最小限のものを描いたのみであるという。そのため彼の設計図はあまり残らず、焼失を免れた数少ない資料を手がかりに、現在のサグラダ・ファミリアの工事は進められている。



ARCHITECTURE
  • コロニア・グエル教会 地下聖堂

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