2012-10-29 渡豪した妻へ
_ 独りになった部屋で
このメールを開くのは、
ケアンズに着いて一息つけた頃でしょうか。
そちらは、これから夏を迎える時期なんでしょうね。
こちらは今夜も冷え込むようです。
_
ぼくはこれから風呂に入るところです。
君を駅まで送ったあと、
静まり返った部屋でテレビを観ていました。
気付かないうちに時間が過ぎていて、
また独りになったんだなぁと、あらためて感じます。
_
独り暮らしには慣れているので、
特に不便は感じないだろうけれど、
君が傍にいないという事実には打ちのめされます。
楽しいことも、美味しいものも、美しい風景も、
半分しか味わえない気がします。
_
ぼくと居ることが嫌になったわけじゃないと信じているし、
この状態が何年も続くわけではないと思うけれど、
やはり遠く離れて暮らすのは、辛いです。
何が目的での渡豪なのかもよく知らないけれど、
やりたかったことをやれたら、あるいは
探し物が見つかったら、帰ってきてください。
_
メールだの電話だのは面倒でしょうから、
ぼくからは緊急時以外、連絡しないようにします。
メールをもらえたら返信します。
_
ケアンズは比較的治安のいい都市だと思いますが、
ここ数年はひどい不況が続いていて、
不就業率が10%を超えているそうです。
夜遅くなると、明るい大通りでも
通り魔的な強盗事件が頻発しているとのこと。
気を付けてください。
_
では、お体にも気をつけて。
愛してる。
from the bottom of my half broken heart.
_
尚己
[ツッコミを入れる]